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読書感想文『ジェフ・ベゾス 果てなき野望』

20140130

Amazon創業者で今もCEOのジェフ・ベゾスにスポットライトをあてた本『ジェフ・ベゾス 果てなき野望―アマゾンを創った無敵の奇才経営者』を読みました。
ジェフ・ベゾスは、その活躍ぶり、カリスマぶりの割には、露出が少なく、スティーブジョブズのようにいろんなストーリが語られることが少ないと思うのですが、この本からAmazon創業から現在に至るまでベゾスがどんなことを考え、どんな行動をしていたかを知ることができます。
大企業になってからのストーリも、どうやって大企業病に陥らないようにしているかという観点でなかなか面白いです。

まず、一番印象に残っているのが、Amazonのビジョンを表す言葉が創業から現在まで変わっていないないこと。
『everything store』
これが、創業時ベゾスに掲げたAmazonのなるべき姿。
なんでも売ってるお店。
とてもわかりやすいですね。
本の中のストーリでも、短期的には損失を生むような戦略を選択するときに、このビジョンを事業戦略の判断材料にして一貫した判断をするシーンが何度か出てきます。
このビジョンのためのアイデアを一番積極的に出して、進めようとするのがベゾス自身というのも印象的です。
側近たちが、そんなことをしたら損失が凄まじいことになる、やめよう、と止めるシーンもよく出てきます。w
このCEO自身の情熱、アイデアって、大きな組織を動かすにはすごく重要と感じます。
日本企業では、CEOがアイデア、戦略を下々のものに任せてしまいレビュアとしてしか関係しないケースが多いですが、これがまさに大企業病で、トップの事業に対する無関心を引き起こしていると思います。
無関心という言葉は正確ではないですが、売上、利益だけが関心事で、その売上をどうやって出しているのかに対する無関心。

あと印象に残っているのが、値付けの考え方。
とにかく安く値付けするという戦略。
価格競争になるじゃん、と思うけど、競合がついてくることあきらめ、新規参入者に参入する気を起こさせないぐらい下げるという戦略で、徹底的に競合を排除するという作戦。
この作戦は当然超リスキーで、実際Amazonは結構赤字を出してる。
それでも待てるのがAmazonの強さ。
最終的には薄利多売で利益には繋げるわけです。
こりゃ、並の神経ではもたないなあ。
この辺は、ベゾスの強さがよく出てます。

まあ、こんな危うい戦略をとったりしてるので、ベゾスはジョブズ並に怖い人だそう。
気に入らないと徹底的に相手を攻撃するらしく。
人、雇用に対するこだわりはやはり高くて、トップマネジメントはあちこちの優秀な人を引き抜いて据えている。
こういうのは、日本の企業もやるべきだよねえ。
やっぱり、下から上がった人間は、少なからずしがらみ、偏見を抱えていて、客観的な判断にならないと思います。

まとめ

他にもいろいろ印象に残るエピソードが載っていて、この本はかなりオススメです。
順調なサクセスストーリーという感じではなくて、結構浮き沈みしていて、リアリティがあります。
経営に関わったり、トップマネジメントの人は、ぜひ読んでみてほしい1冊ですね。

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