GUNSLINGER GIRL 完結
GUNSLINGER GIRLが15巻をもって完結しましたね。
連載当初から気に入ってずっと読んできましたが、最後はきれいな物語として終わって期待どおりでした。
最終巻は『希望をつなぐ』という表現が出てきますが、この物語を最も的確に表したものだなと思います。
最初の方はただただ復讐劇という部分が強調されていましたが、ストーリが進むにつれ、義体が選ばれた背景などに希望をつなごうとした心理などが描かれ見事なストーリ展開でした。
9巻のアンジェリカの死亡を皮切りに一期生をどんどん劇的に殺していってお涙頂戴な展開で終わらせるのかと思いきや、残るキャラクタが居て、希望を託された新しいキャラクタも居る。
クライマックスに向けてはかなり悩んだんじゃないかな、と思います。
前半は、義体達にスポットがあたる展開が多かったですが、後半は大人たちにスポットがあたる展開だったのも面白かった。
義体を復讐の道具といいながら割り切れずに思い悩む大人たち。
結局、死を共にする大人たち。
ある意味コントロールされて安定している義体達に対して、運用する大人の方が葛藤しながら接する姿はなかなか面白いテーマでした。
15巻だと、クラエスの「私のささやかな生活は…誰にも壊させはしない!!」というシーンはなんとも象徴的でよかった。
クラエスは担当官が居ない特殊なポジションで、物語中植物を育てたり、本を読んだり戦闘員としての他のキャラとは一線を画した存在でした。
あくまでメインの物語には介入しないけど、端々に義体達を客観的に見ているシーンが出てきて、物語を引き締める存在。
そんな彼女が最後に前に出てくるのがクライマックスでなんともうまい演出でした。
そして、スペランツァの「天国の2人の母へ この言葉を贈ります 世界には今も確かに希望がありますよ。」という最後のシーン。
スペランツァの話は、ボーナス的なストーリーなのかと思ったけど、この言葉で「ああ。この言葉だからきれいに話が閉じるんだな。」と思いました。
いや、ホントうまくまとめましたね。
相田さんの次回作はどんなお話になるのか楽しみです。
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