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  • 2016/04/2
  • 0
anime

たまゆら~卒業写真~ 第4部 朝-あした-

20160402

ついに終わってしまった。

たまゆらシリーズの最終回『たまゆら~卒業写真~ 第4部 朝-あした-』が公開になり、早速初日に行ってきました。少し延期になりましたが、春というこの季節に間に合ってよかったです。

第3部で、ぽってが自分の本当の気持ちに気付き、ついに東京に行くことを決心したわけですが、この4部はいよいよそれを実行に移すときです。それには、町との別れ、家族との別れ、そしてこれまで一緒に過ごしてきて、自分が進む道を気づかせてくれた三人の親友との別れになるわけです。そう考えると、もう泣きまくりなストーリーになるだろうな、と思っていました。ところが、蓋を開けてみると違っていました。なんとも気持ちのいい最後だったんですね。泣きに走るのは簡単だったはずなのですが、登場人物、特に四人組はほとんど泣かないんですよ。だけど、本当に気持ちの良い感動でした。みんな前を向いていく。大丈夫だ。そんなとても前向きなストーリーになっていたんですね。これはいい意味で予想を裏切られました。

この4部で、何と言っても象徴的なのはやはりお父さんのカメラが壊れてしまうことですね。これは前から伏線が張られていたので予想していましたが、やっぱり必要なことだったと思います。お父さんの影を追って竹原に戻ってきたぽってだけど、今度は自分のやりたいことのために東京に踏み出す。そういった決意を象徴するイベントですよね。あれって。実は、最初のシリーズの冒頭もカメラが壊れているところから始まるんですよね。あと、卒業式のシーンで、窓に差す日をぽってが手で切り取るシーンがありますが、あれもシリーズの冒頭でやるシーンがありましたよね。キャッチコピーも、1作目が「いつか想い出になっていく、だけど消えたりしないよ、ずっとね。」、そしてこの最終話が「いつか想い出になっていく だけど消えたりしないよ ずっとずっとね。」だったり、1作目をイメージさせるところがたくさんあります。これを見ると、最初からこの結末はできていた感じがしますね。そういう、最初からファンをしている人間に対するサービスもあって、本当に楽しめました。

20160402-1

たまゆらは子供達の周りにいる大人たちが重要な役割を果たしますが、その一人であるぽっての母親がお父さんが死んだあとのぽってにどう接すればいいか悩んで、おばあちゃんに弱音を吐くモノローグがすごく泣きそうになりました。シリーズ中、いつもニコニコとぽってを見守ってきたお母さんですが、あの多くは語らず笑顔で見守る裏にはあんな苦悩があったんですね。そんな時も、おばあちゃんはやっぱり凄かった。いや、本当にこの作品の深さがよく出ているシーンでした。

四人組が集まったシーンで印象的だったのは、ぽってのカメラをみんなが順番に借りて撮影するシーン。今まで、ぽっては撮影者であって、レンズを隔てて他の三人を見る存在だった。その気持ちが最後に共有される演出でした。そして、親友たちに混ざって写真に写るぽってが、四人一緒だということを改めて象徴することになります。うーん、いいですね。志保美さんと向かい合って撮り合うあのシーンも大好きですが、このシーンもすごくいい。

そして最後、やっぱりたまゆらで締めくくられます。お父さんを撮った時のあの綺麗なたまゆら。それが、お父さんのカメラで最後に撮った写真、そして新しく使うことになるカメラで撮った最初の写真に現れます。もう、わかっていたけれど、ここは泣いちゃいました。でも、なんとも気持ちがいいお話。お父さんが、町のみんな、親友に広がって、ぽってを応援してくれるようになった。そんな時間の流れを象徴する最後でした。

最初のシリーズから感動しっぱなしの約5年。サトジュン監督には、本当にお疲れ様と言いたいです。素晴らしい作品、感動をありがとうございました。作品、イベントは一旦終わりみたいですが、同窓会やARIAのようなカーテンコールがあると嬉しいなあ。作品は終わってしまいましたが、また竹原には行きたいと思います。

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