Adobe MAX 2009 JAPANに行ってきた
怪社の仕事に関係ないので怪社休んで昨年に引き続き行ってきました。
聴講したのは以下の通り。
一日目はほぼ全て英語で疲れた。
二日目は体調悪くて最後まで居れなかった。
一日目
- 基調講演
この不景気にバルーンから登場したりかなり派手だった。
昨年に引き続きNTTDocomoがステージに登場してAdobeとの蜜月っぷりをアピールしてた。
昨年は今は辞めてうさん臭い仕事してる夏野氏が登場してひたすらDocomoに対する愚痴を言っていて不愉快だったが、今年はどうしていきたいかということが明確に出されていてよかった。
デザイナとディベロッパの距離を縮めることに注力しているAdobeのメッセージも明確。
- Flex4/AIR/CS4 によるデザイナー&デベロッパーのワークフロー革新
(クラスメソッド株式会社 杉浦氏)
主にFlash Catalystを使った開発ワークフローの説明。
とても分かりやすかったです。
Catalystが吐くMXMLコードがメンテ性悪いとか問題点も整理してくれていたことが参考になりました。
- クリエイティブ・インスピレーションNew Works[FITC session]
(Greg DeMichillie)
レッドブルをがぶ飲みしながら離すかなりクレイジーな人。
技術的なものよりどうやってインスピレーションを得るのかみたいな話で、全然難しい話ではなく面白かった。
日常のいろんな場面からインスピレーションを得るという話は、あー、大体同じようなところ見てるなーという印象。
なんかクネクネした構造物とかコントラストがきつい色彩とか。
アルゴリズミックデザインの一連のデモはすごく楽しかった。
こういうのが芸術として認められる時代になったんだなぁ。
数年前にproce55ingで作られたデモを見て惚れ込んだものだが、楽しい時代になってきた。
- Flash Catalyst(コードネーム’Thermo’)のご紹介
(Ryan Stewart)
CatalystのAdobeによる説明。
セッション後にCatalystとFlexBuilder Gunboのプレビューが配布されました。
確かにデザイナがよりエクスペリエンスデザインに介在することができるようになるのは分かるんだけど、デモを見るとやはりCatalystはIllustrator、Fireworks、Flashに組み込まれるべきだと思う。
正直Ai,PS,FW <-> CL <-> FxというCLを挟むステップが面倒すぎる。
Ai上で直にデザインできるべき。
これ以上製品ラインナップを広げられるのはちょっとね。
- プロフェッショナルのピクセルコントロール[FITC session]
(Ralph Hauwert)
やたら恋人の写真のコラージュを見せてた。
この手のアートはどうやって作るのかいまいちよくわからないのだが、多少は理解できたかな。
要するに抽象化なんだと思った。
特定の特徴的なピクセルをサンプルして別のシンボルに置き換えるってことなんじゃないかな。
ただ、この手のコラージュはコントロールがすごく難しそう。
- Beyond the Knowledge~ 想像力が世界を変える [FITC session]
(Erik Natzke)
このセッションも多くのデモを取り混ぜながらとても楽しかった。
メガデモぽいデモをたくさん流していた。
この手のデザインは音楽と一緒にすることによって随分印象が変わってくる。
音楽もこだわっている感じ。
iTune8で採用されたflight404のビジュアライザとか、音楽と同期したアルゴリズミックデザインがここのところたくさん作られているからね。
- スペシャルイベント:Technology Sneak Peek
今年も開発中の技術のデモとかいろいろ見せてくれました。
今回は、野良Ajaxライブラリの簡単組み込みとMSのPhotosynthっぽいやつが一番人気だった。
みんなPhotosynthを見たことがなかったのか、えらい驚いていた。
いや、もちろんすごいことはすごいんですけど。
個人的には、動画からメタデータを自動生成する技術の方がすごかった。
音声認識して再生と同期してテキストをトレースしたり、ワード検索してそのワードを離すタイムラインに飛んだりすごい。
Premiereとか最近どうなってるか知らないので、実はすごい機能が乗っていたりするのかな。
いや、毎年このイベントはすごい楽しいです。
二日目
- 基調講演
AdobeCS4のデモを次々に紹介。
これ見ててやっぱりAdobe + Macromediaの合併ってのは大成功だなと感じた。
Macromedia発祥のFlashプラットホームに、デザイナが介入するルートを構築して見事にCoolなアプリ、サービスを構築するプラットホームとして進化された。
今後、家電やら携帯やらを巻き込んでFlashは拡大するでしょう。
ただ、次の変化が起きようとしているWebにはどういう技術を突っ込んでくるんだろう。
いろいろ考えつくし、これは自分の仕事でもあるので非常に楽しみな世界。
クラウドとか強調していたけど、もう次を考えているはず。
- 映像とプログラミング
(tha 中村氏)
ワードで書いた適当なメモでプレゼンでちょっと面白かった。
たくさん作品を見せてくれたので飽きませんでしたね。
作品のインスピレーションを得る過程が結構説明された気がした。
現実の何かを画面内にある特徴を極度に増幅して投影させるって感じなのかな。
デモで流していた物理計算しながら最後に奇跡的にブロックが積み上がるやつとかそうだよね。
人間が心地よいと感じたり面白いと感じたりする部分を増幅してうまくいってるんだと思う。
時計を多用してリズムを出すのもそういう効果なんだと思う。
聞いてる途中でひとつひらめいたしかなり楽しいセッションでした。
- [Flash] アイデアの実装:コントロールと最適化
(Roxik 城戸氏)
昨年も聞きましたが、今年はより初歩的なところから説明してくれてよかったです。
昨年同様ライブラリを使わずに自分で3Dの計算を書く方が理解が進んで、どんなコントロールでもできるということをアピールしてましたね。
エコだ動物園とかの異常な軽さとかは多分その辺のFlash3Dライブラリでは得られない。
最適化はすごくこだわっていると言っていたので、そういうチューニングにも気を使うなら全部自分で作るのがいいんでしょうね。
でも、あれ一人で作ってるってすごすぎ。
- ActionScript 3.0 におけるパフォーマンス向上のヒント
(野中氏)
ActionScriptというよりはプログラム一般に言えるパフォーマンスTipsだったかな。
勉強になりました。
二日間すごくエキサイティングなイベントでした。
まず今年はFITCのセッションが丸一日あってうれしかった。
日本に居ながらFITCのセッションが聞けるとは。
この不況だけどAdobeの開発陣はまだまだ元気だ。