C.a.T!

劇場版サイコパスを観てきました。先日2期が終了したサイコパスですが、タイムライン的には2期の後のお話で、1期、2期メンバーが総登場します。

劇場版サイコパスは、1期の狡噛慎也を中心としたストーリになります。キーマンでありながら2期で登場させなかったのですが、ここでスポットライトを当てることになっていたのですね。狡噛は、1期の後、海外に渡って反政府運動に参加しているという設定になっています。うーん、わりとありきたりな設定。そこに、常守が絡んでいくという。

1期は人間ドラマ的に、特に終盤は鬼気迫るものがあったのですが、劇場版では割とあっさり完全懲悪という感じで深みがないのが残念です。わかりやすい悪役を設定して、最後に一気に殺しまくるという。本当に、殺しまくるというシーンは、まあ虚淵さんだから仕方ないですが、やっぱりあの1期の麦畑のシーンのような物語性が欲しかったですね。

戦闘シーンは、TV版よりずっとカッコよかったです。ちょっと攻殻機動隊ぽい感じ。4足歩行車とか、攻撃ドローンとかメカがカッコイイ。狡噛達レジスタンスが、それに初歩的な兵器で対抗するのは、ちょっと攻殻機動隊2期っぽいです。

最後、狡噛か常守を殺すかなと思っていたのですが、それもなく主要メンバは全員無事。最後にまた2人は別れるし、続編作る気まんまんという感じの終わり方です。この作品は、シビラシステムが止まるまで続きそうなんで、続編作るでしょうね。2期から登場した霜月ちゃんは、映画版でも目が死んでましたw。女性陣の目が死んでいくのがこの作品の特徴w。

ちょっと面白かったのはシビラシステムの輸出という設定。平和の輸出という言葉が使われていましたが、これはなかなかの風刺ですね。アメリカがやっているような軍事介入なんかに対する。あと、監視社会という意味ではサイコパスと同様既に日本では出来上がりつつあり、それを海外に持って行こうとしている。もちろんサイマティクスキャンみたいなSFではないけど、カメラやら使ってあちこちで実験して問題になっていましたよね。こういうのが進んでいくと、SFであるディストピアって意外と構築されちゃうのかもな、と思ってしまいました。こわい。

ストーリ的にはちょっと物足りない劇場版でしたが、映像的にはなかなかの迫力ですので、TVのファンは劇場に足を運んでも良いと思います。